シリコン結晶研究のルネサンス
不純物の偏析現象
初めに
シリコンデバイスの基板となるシリコンバルク結晶はCZ(引き上げ)法やFZ(浮遊帯域)法に依り成長されます。
ドーパント濃度は融液から結晶に取り込まれる際に変化します。偏析です。
また、結晶品質を支配する、酸素、炭素、窒素の軽元素中性不純物の濃度も変化します。
その割合は成長軸方向の変化とともに詳しく調べられてきました。
キログラム原器を置き換えたアボガドロ結晶で、炭素濃度とその不均一が問題となってきました。
これまでの研究はミクロと言っても、平均濃度でしたが、実際にはミクロにも変化しています。
1 窒素の偏析係数、原子半径との関係
1960年にTrumboreは不純物の偏析係数を、原子半径との関係でまとめました。

我々は固相での溶解度と偏析係数の間に、両対数で直線となる関係があることを見出しました。
そしてそれは、周期律表の上のIV族毎とVにまとめられることを明らかにしました。特に中性軽元素不純物が一つのグループになることを示しました。
