炭素濃度測定法
フォトルミネッセンス法の問題点
初めに
フォトルミネッセンス法で炭素濃度が測れると言う発表がなされているが、この方法に定量性がないことは1970年代の主張当初から専門家に明らかにされている。
ここでは炭素濃度測定の場合にさらに生じる問題などについて解説する。
1一般的問題、発光過程の複雑さの無視
1970年代に田島道夫が「応用物理」で定量性を主張すると、直ちに「応用物理」にそれを否定する反論が掲載された。
一言でいうと「複雑な発光過程を単純化している誤り」である。
発光はバンドギャップの中の準位を介して発光再結合することにより起きる。しかし、注目する発光以外に、再結合する準位は無数といってよいほどあり、それらは相互に影響しあっている。その上、発光しない再結合も無数にあり、発光を妨害している。これらの現象による影響を無視しているということである。
、中嶋、応用物理(1981).
2炭素の場合の問題、発光体の形成過程の複雑さの無視
シリコン結晶に電子線を照射すると、置換型炭素不純物の一部は格子間に移動する。その一部は酸素不純物を大量に含むCZ結晶では炭素-酸素対を作り、FZ結晶ではゃごく一部が炭素-炭素対を作る。
照射誘起のCsCiを報告したDaviesはフォトルミ法でその濃度を測るのは定量性が無いとして用いなかった。CiOiの赤外吸収を報告したNewmanは当時の一般的な炭素濃度測定に比べて低濃度まで測れることを示したが電子線照射を必要とするため実用性がないとした。これらの事情は変わっていない。
Davis, (1982)
Newan, (1983)
2.1 中村の研究
3.2 中川ら(東芝セラミックーグローバルウエハ)の研究
3.3 田島、小椋ら(明治大学)の研究
3.4 (九州大学)
3.5 新金属協会の
3装置依存性や再現性の問題
4窒素濃度測定法の撤回
以前に窒素濃度測定法の標準化が行われた。電子協でのシリコンメーカーや分析装置と分析サービスの関係者により赤外吸収法に加えて放射化分析法とSIMSも規格が作成された。
この活動に田島道夫はフォトるみ法を提案して参加した。
しかし、途中から無断で欠席し、活動を放棄した。フォトルミネッセンスに可能性がないことを悟ったためと思われる。
応用物理