シリコン結晶-世界の頭脳+神経網と心臓+血管網の基板
赤外吸収はその発展を支えるキー技術
研究と開発のネットワーク
Siliconet

2019/08/21-
2000-

2021年版
初めに
 

シリコンデバイスは1950年代の開発当初には、真空管の代替として信号処理のトランジスタとパワーデバイスのダイオードが同等に用いられていました。
1970年代半ばのMOSメモリーの開発により、信号処理用が圧倒的になりました。
しかし2005年前後の電気自動車用パワーデバイスの普及をきっかけとしてパワーデバイスの地位が高まりました。
その後パソコンと携帯電話の普及によりICチップは社会の頭脳と神経網のニューロンになりました。
またパワーデバイスはあらゆる電気機器に必要なので、社会の心臓や血管網や血液になっています。
即ち、今やシリコンは世界の頭脳+神経網と心臓+血管網となっているのです。
2019年には国際単位系が改訂され、シリコン結晶がキログラム原器を置き換えたと言えます。
シリコン結晶基板は、日本が世界シェアの過半を占める数少ない産業です。
その研究開発で最も基本となるのが、不純物濃度の赤外吸収測定法と、結晶欠陥関連の赤外吸収による解析です。


シリコンデバイスの基板となるシリコン結晶の研究開発の成果は、これまで殆ど論文という形で学界にしか発信されてきませんでした。
実際を担うのは工場の技術者ですが、そこには研究の情報が届いていません。
反対に工場の情報を外の研究者は知ることができません。
一方でインターネットの普及以降、あらゆる情報の公開と普及とフィードバックが進み、紙媒体を基本とした従来の情報の独占と一方的普及の限界を超えています。
そこでこのHPはそのような情報の公開と多様な発信の一翼とフィードバックによる発展を目指していきたいと思います。
シリコン結晶とその赤外吸収の基礎的な知識から、最先端の研究まで、また
シリコン産業で必要な不純物濃度と欠陥の赤外吸収による品質管理のノウハウまで。
siliconetというホームページは1996年に大阪府立大学で始められ、世界に例がありません。
このホームページは約15年の空白を経て再開したものです。2021/08/16

Siliconet
Silicon crystal: Substrate of the brain and the heart of the world

Siliconet is the website for information on the research and development of silicon crystal.
25/08/2021

目次

シリコン結晶の研究開発の歴史

シリコン結晶中の欠陥の研究

シリコン結晶の評価解析技術

シリコン結晶の軽元素不純物と真正点欠陥の複合体の局在振動モードの赤外吸収

シリコン結晶中の炭素濃度の赤外吸収による測定の高感度化と実用化

シリコン結晶中の炭素濃度測定法のSEMI国際規格

経緯、現行規格と解説
炭素濃度の検出下限, Instrumental detection limitとSpectral detection limit
Discussion
Detection limit

照射や熱処理による酸素・炭素・窒素と真正点欠陥の赤外吸収
シリコン結晶の不純物と真正点欠陥複合体の局在振動による赤外吸収のデータベース
シリコン結晶の不純物と真正点欠陥複合体の局在振動による赤外吸収のスペクトル

基礎知識

シリコンデバイス
点欠陥と欠陥の基礎知識
赤外吸収の基礎知識

Contents

History of the research and development of silicon crystal

Research on the defects in silicon crystal
Diagnostics of silicon crystal

Infrared absorption measurement of light impurity concentration by infrared absorption spectroscopy

Infrared absorption of carbon in silicon
SEMI Standard measurement procedure of carbon concentration in silicon by IR
Detection limit, Instrumental detection limit
Advanced measurement procedure for carbon concetration 1x10^13-1x10^14/cm^3
JEITA Standard measurement procedure of nitrogen in silicon by IR, SIMS and CPAA

Database of the infrared absorption bands from impurity-intrinsic point defect complexes in silicon

Infrared defect dynamics

Carbon
Nitrogen
NN 4 atom member ring, NO ring of shallow thermal donor
Various N complexes in as-grown Si
VN complexes in irradiated Si



2019年再開版表紙再掲

2019年8月21日

初めに


シリコン結晶は、コンピューターや携帯電話などあらゆる電気製品に使われている、トランジスタからICチップまでの半導体デバイスの材料です。
しばらく前まで、日本は半導体デバイスの最大の生産国でした。その地位は失いましたがシリコン結晶では現在でも最大の生産国です。
日本の物づくりは多くの場合職人や工場現場の人々の注意深さと創意工夫とで成り立っています。
シリコン結晶の場合も基本は同じです。
鉄の場合は大企業が世界の大企業と競い合い、大きな研究所で研究開発が行われ、学会でも公表されますが、シリコン結晶の生産者は小さく、結晶成長中の精密な制御がものをいうため、学会と現場は余りつながっていません。学会や論文では欧米の活動が目立っていますが、現場の技術者にはそれらは伝わっていません。
ここではそのような学界の情報を現場の人に届けて役立ててもらうことを目指します。

siliconetは2000年代に大阪府立大学にあったHPの再開です。



1996年初版表紙復刻再掲

Siliconet
ホームページ開設のお知らせ!

・〒593 大阪府堺市学園町1-2
大阪府立大学 先端科学研究所
TEL:0722-52-1161
FAX:0722-52-1163


関係各位殿
シリコン基板に関するホームページ開設のお知らせ
大阪府立大学 先端科学研究所
シリコン結晶研究グループ

シリコン基板に関する研究開発状況の情報に関しては、活動があまりにも多岐にわたっている
ため全てを知ることができないという問題があります。そこで下記のような内容に関するホームページを開設しました。
1996年12月20日

内容

学会・研究会の報告
学会・研究会の予告、案内
シリコン関連の主なホームページ




経過
2021/08 Sliconet英語版開始
2019 Siliconet再開
1996/12  Siliconet開始(大阪府立大学)